救護スタッフがいるから安心?それだけでは足りません。
もし、あなたが「救護スタッフが近くにいるから、大丈夫」と思っているのなら、少し立ち止まって考えてみてください。確かに、救護スタッフが迅速に対応できることは重要です。しかし、それだけでは全ての命を救うことはできません。
傷病者を発見したその瞬間から、救護活動は始まります。あなたが目の前で見かけた、倒れている人、息が荒い人、けがをして動けない人。すぐに救護スタッフが駆けつけてくれるかもしれませんが、それは必ずしもすぐに来るとは限りません。現場に救護スタッフが到着するまで、時として数分間かかることもあります。その数分間が命を分ける重要な時間となるのです。
数分が命を左右することを、忘れないでください。
私たちが目の前で遭遇する状況は、予測できないものばかりです。心肺停止や重大なけがを負っている場合、その場で迅速に行動することが必要です。もし救護スタッフが目の前にいなければ、あなたがその命を救うために最初に動き出す人物になるのです。その時、心肺蘇生(CPR)やAEDを使うことが命をつなぐ手段となります。もしその時間を無駄にしてしまったなら、救命の可能性が大きく減少することもあります。
そのため、私たちの団体は「救護スタッフが来るまで待つ」ではなく、「あなたができる最初の対応が命を救う」という意識を広める活動をしています。救急車が到着するまでの数分間、適切な処置を施すことができれば、傷病者の生存率は格段に向上します。この最初の数分が、あなたの手のひらにかかっているということを、改めて認識してほしいのです。
助けたい気持ち、守りたい命。
私たちは、日々の生活の中で「助けたい」「守りたい」という強い気持ちを持っています。誰しもが、他人の命を守るためにできることがあれば力を尽くしたいと思っています。けれども、その気持ちがあっても、実際に行動に移せるかどうかは、また別の問題です。何かあったとき、どうすれば良いのか、何をしたらいいのか、迷っているうちに時間だけが過ぎてしまうことがあります。
でも、あなたの行動はとてもシンプルです。もし目の前で人が倒れていたら、まずはその人に近づき、呼吸があるか確認します。次に、周囲に助けを求め、必要ならば119番に通報します。そして、必要に応じて心肺蘇生を行い、AEDを使用する。この一連の動作が、あなたが命を救うためにできる最初のステップです。あなたが立ち上がり、行動に移すことで、傷病者の命の可能性は大きく広がります。
命を守りたいという気持ちがあなたの中にあるなら、その気持ちを行動に変えてください。それが、最も大切なことなのです。
救護活動へのご理解とご協力をお願いします。
私たちの団体は、初動対応力の向上に積極的に取り組んでいます。定期的に研修を行い、常に最新の知識と技術を習得しています。しかし、どんなに準備をしていても、現場に駆けつける時間には限りがあります。傷病者が目の前に倒れている時、最も必要なのはあなたの迅速な対応です。
そして、これらの活動は単に「できること」を広めるだけではなく、適切な行動ができるようサポートすることも大切だと考えています。私たちは、あなたが自信を持って行動できるよう、しっかりと支援します。そのために、地域社会全体で連携し、助け合いながら命を守る体制を作っていきたいと考えています。
皆様へのお願い
私たち救護スタッフは、傷病者の命を守るために常に準備をしています。そのため、私たちの手が止まるような行動は避けていただきたいのです。迷子や落し物、道案内などは運営スタッフが担当していますので、これらに関しては、どうぞ運営スタッフにお声がけください。
また、救護活動中の写真や動画撮影、SNSへの投稿は固くお断りします。傷病者が命を守るための治療を受けている現場を撮影し、公開することは、プライバシーの侵害であり、何よりも救命活動に集中できなくなってしまう原因となります。そのため、必要以上に撮影を行わず、救護スタッフや医療従事者の指示に従って行動していただけますようお願い申し上げます。
命を救うための第一歩は、あなたの手の中にあります。助けたい気持ちを行動に変えてください。そして、地域全体で支え合いながら、命を守る活動に協力してください。あなたのひとつの行動が、誰かの命を守る大きな力になるのです。